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魔の刻を過ぎまして・・・

士道
09 /11 2017
九月はじめ。
初段から三段まで十数名・・・なんとか全員合格しました。
戸山流居合道 昇段審査会。
2017年9月 戸山流 昇段審査

なんと審査開始時刻が、一時間近く遅れての開始。

集中力の復帰と士気の持ち直しに、十分な時間がとれぬまま始まってしまいました;

そして、な~んと開始線が審査員の先生方に向かって
「斜め」にひいてあるではないですか!(いまだかつて、誰も経験なし!)

私は当日まで、先生に対して正面を向く開始線で審査する、と聞いておりまして~
あえて、普段の稽古と違う方向から抜く稽古をわざわざ続けていたのです。
(正面から右の敵に向かって斬るのを、左を向いた状態から正面に向かって斬る等・・・)

それらが、このイレギュラー開始線によって、すべて無駄というか、仇(あだ)となってしまいました;
当然、周囲は緊張感の復活とともに、動揺の声で不穏な空気が流れだしました。

さらに礼法の点で注意があり、場外で礼をするのか、開始線の前で礼をするのか・・・
上座の礼と刀礼はどちらでするのか・・・説明が曖昧ではっきりしないまま
不安とどよめきの中で審査開始となりました。

「三段、Aさん!」

いつも杖道修行の仲間でもある号令係のMさんにより」
一番手の呼び出しがかかりました。

「あれ?高段から始まるということは、初段は最後なのか。良かった~。
これでゆっくり先輩の所作を確認できる。いや、ツイてるな~。」

と、少し安堵して審査模様を見ていました・・・が、次の声で状況が一変します。

「次、初段。~さん!」

「は!?」何故また初段に戻るのか!・・・いや、一番手じゃなかっただけましか。
初段で自分より若い人、二人もいたのか・・・意外だな~。
とりあえず、どこで礼するか見ておかないと・・・あれ?さっきの三段の人と違う位置で礼してるけど・・・>焦
えぇ~、一体どっちが正しいんだ~!?
あっというまに初段二人終って・・・もう自分の出番だし!
いかん・・・礼法の確認に夢中で、抜く方向がよく見れなかったよ!>汗

「礼は線の外でして・・・あと、抜く方向がいつも通りみたいだから。気をつけて。」

先輩からは、事前にあらゆることをささやかれましたが・・・
私の脳内は、興奮かつ混乱状態で、聞く耳が素通りしておりました。

これまでの稽古が滲みついてて、今さら抜く方向を変えるなんて無理だ!
ああ、どうしよう~。もう、どっちを向いて抜けばいいのか、さっぱりわからんぞ;
こうなったら、覚悟を決めるか!

そんな短時間の葛藤の末、私は堂々といつも通り、稽古してきた方向ですべて抜きました・・・。
斜めの演武線を正面として抜くと、形によっては先生方に背を向けてしまうことから
本当にこれでいいのか、即座に納得できなかったこともあっての選択でした。

審査後、先生からは「立つ方向が違うから注意するように。」と、無常にも釘を刺されました;

「うう・・・やはり、違っていたのか。」>倒

しかしながら、形そのものと礼法は問題なくスムーズにできていたので
(なんせ審査直前まで、刀の抜き差しと下緒結びの練習ばっかりやっていましたから~)
初段だから一部がよければ、他は大目に見るだろう。と、完全に開き直った上での審査内容でした。

むしろ、これまで稽古してきたことと違うことをするとボロがでて、形そのものを間違えかねない危険を冒すよりは
向きは違えど、理合正しく思い切り形を抜いた方が良かろう、との判断でした。

後で聞けば、三段ではじめに審査されたAさんは、諸事情で滞在時間がなかったため
特例で真っ先に審査してもらったのだそうです;
このAさん、小柄なのに形がとても豪快かつ基本に忠実で、体勢が崩れないのが非常に魅力的でした。
それも、重さ1200g以上はありそうな、樋(ひ)なしの豪刀(真剣)を遣っています。
(樋は刀身両面に彫られている溝のことで、デザイン性と重量軽減、刀の音鳴り、加工予算・・・に深く関与しています。)

樋(ひ)

普段、軽めの刀しか遣えない私としては、樋なしの刀が空気を重く切り裂く、控えめで渋い風斬り音がたまりません。
素振り用でもいいから、樋なしの居合刀欲しいな~と思わせるほどの、素晴らしい剣士でした。

Aさんは見た目は怖そうな人でしたが、気さくに話しかけてくれて、自分の刀をすすんで見せてくれたり・・・
形のアドバイスをしてくれたり、とても親切な方でした。(見た目で判断してはいけない;)

いくら場数を踏んでも、普段ありえないことをやってしまう魔の空間。
それが審査会というものです。

普段は難なく抜き差ししている先輩が、緊張からか刀がうまく帯に入らず
下緒を結ぶにも、いつもの倍以上時間がかかっていたり・・・
開始線に立った瞬間、形が頭から飛んでしまい、しばらく身動きできなかった先輩もおられました。
そんなことが当たり前に起こるのが、審査という独特な空間なのです。

剣道連盟の審査と比べると、今回は審査規律がゆるいので
個人的には、若干名、着装の乱れが気になりました。
(道衣下着のはみだし、胸のはだけ等・・・)

・・・とはいえ、自身も、これが全剣連の審査基準であれば
形の方向違いだけで不合格していても、おかしくありません。

故に、今回の合格は素直に喜べない部分もありますが
これからが初段の修行、と気を引き締めて稽古に励むことと致します。

コメント

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昇段おめでとうございます!

居合道 初段 合格 おめでとうございます!

初段に受かったら、今度は、二段、次は三段。
昇段審査は、段位が多くなるにつれて難しくなります。
まぁ~オレなんか~ 何度受けても合格できないっーことも あったけど。。。
できるだけそうならないように。

初段受かった 今は、天国だけど、そのうち地獄の不のスパイラルがくる。

昇段とは、人生劇場。
苦しいけど、達成感が最高にうれしい。
居合道を通じて、自分自身を高めなければ。

御互いに頑張って行きましょう!






これからも稽古あるのみ。

>hikaさん

いつも応援ありがとうございます。
結果として昇段こそしましたが、形の抜き位置を間違えたので
個人的には納得できる内容ではありませんでした。

現時点での私は、稽古してきた範囲での実力しか発揮できず
それ以上の才能は、まだ持ち合わせていない・・・という事を知る勉強にはなりました。

なにより稽古は身体が資本ですから、怪我や病気に気をつけつつ
お互いこれからも修行に励んでいきたいですね。

五島 鎧影

「義より上に道はあるなり。これを見付くる事 容易に成りがたし。」
(葉隠 聞書第一)